■ハッシュ−ハッシュ リアルタイムコラム/第二回

皆様ごきげんよう。創刊より愛され続けて発行部数……、言いたくないことを言わせるおつもりですの!?
ともかくハッシュ−ハッシュ記者のルピシア・ハウ・リアリムですわ。
前回の放送事故に関しましては誠に申し訳ありませんのです。
アレは楽屋オチというか逆出オチというのでしょうか、
事実無根ですのでお気遣いなく。けれど、記事ではなく
最後の部分の方が視聴率がいいのはどういうことですの?
まるで記事には価値がないと言われているようで心外ですわね……、まぁ、もうかりはしましたけれど。
今回は第二回、教会特区での取材ですわ。
閉鎖施設ルーデシアが三つの区画にわかれることは前回も説明いたしましたが……、
んん? 知らない?
それでしたら第一回目のバックナンバーをご確認くださいませ。

そうすればわたくしに小銭が落ちてきてしあわせ、いえ、ハッシュ−ハッシュを愛読してくださっている方が
真実を知ることが、なによりの幸せですのよ。信じてくださいませ!
ともかく、教会特区はルーデシアの中でも最大の面積を持つ区画で、人口の6割が集中しておりますの。

名前の通り、教会の教えに集まった人間たちのコミュニティで、
現在は教父マスマティカを頂点とする組織になっておりますの。
ただ、教父マスマティカは教えを信じる信徒たちに説教をするのが主な役割で、
実際は聖女リリクスが教会の象徴のようですわ。
噂によれば、リリクスは神の奇跡を起こすことができるそうですの。
ぜひ取材したいところですけれど。
え? 西暦3000年に宗教? 科学技術が発展した時代に今さら? というご意見が聞こえますわ。
ええもちろん脳内で。

ある意味で正しく、ある意味で不正解ですの。
科学技術が発展したからこそ、閉鎖施設ルーデシアに宗教が発生したのですわ。
説明には外在魂というキーワードが必要ですけれど、これはちょっと話が長く……、
んん、おあつらえ向きの方がいらっしゃいましたわ。
第二回、今宵はここまでにいたしとうございますわ。
次回の第三回は外在魂と教会特区について、インタビューをまじえてご紹介する予定ですの。ご期待くださいませ。
ではでは……、あ、そうそう、わたくしへの激励と称して、本当にドーナツ型クッションを送ってくださった方が
いるのですけれど、わたくしはアレな病気ではありませんことよわ!
……まぁ、だいぶ楽にはなりましたが。

は! またこんなところまで記事になってるですの! なし!
スキャンダルを記事にする記者なんて最低ですわ――(以下2万文字は文字数オーバーにより自動削除)