■ハッシュ−ハッシュ リアルタイムコラム/第一回

 皆様ごきげんよう。創刊より愛され続けて……、何年でしたかしら、まぁいいや、
ハッシュ−ハッシュの記者ルピシア・ハウ・リアリムですわ。

愛され続けて、なんて表現が用いられるときは、多くの場合スルーされているだけなのですけれど、ハッシュ−ハッシュは違います。具体的に言うと道を歩く子供がわたくしを指を指して大笑いしてくださるくらいに。

 当コラムは時代の速報性を満たすために、録音したテキストを自動的に記事に変換して、
アップロードする方式を採用しておりますの。

 もちろんお代は記事のぶんだけで結構ですわ。
 しゃべくるだけで記事ができて小銭が転がりこむなんてうめぇなんて思っておりませんことよ? 本当ですのよ?

さて、今回は準備号ということで閉鎖施設ルーデシアの紹介をいたします。

 普段見慣れた街も、改めて紹介されると違った角度の発見がいいものですわ。
街に出てみたもののネタがなくて、記事の埋め草に使おうとしたわけでは決してございませんの。

 街の外観ですけれど、全体として古い町並みに見えますけれど、実際は違うのです。
 建物はすべて最先端の科学技術で造られていて、壁の汚れはCGがほとんどですわ。

 技術によって古典が再現された、テクノゴシック文化は完全に定着しており、
西暦三千年を超えたというのに、道行く人はある意味古臭い格好をしておりますわ。

 確か、旧世界ではコスプレと呼ばれた風習で、年に夏と冬に、
数十万のコスプレした方々が集う舞踏会があったとお爺さまに聞いた気が……、
今度調べて突撃調査を行うのでご期待くださいな。

さて、街は大きく分けて三つ、居住特区、経済特区、教会特区にわかれますの。詳しくは回を改めてご紹介いたします。
 一本の長い記事よりも、短い複数の記事の方が細かく代金を取るのに向いて……、
や、いい意味で愛読される方にも読みやすいという配慮ですのでご心配なく。

ちょっと教会特区が騒がしくなっておりますけれど、どうしたのでしょう?
これから取材に向かいますので、これも詳しくは続報をお待ちくださいませ。

 第一回のコラム、今宵はここまでにいたしとうございます……、昼ですけれど。
 印刷所に戻ったら延々と記事の構成をしなければいけないのは憂鬱ですの。
けれど、真実を追いかける記者に苦難はつきもの。
記事を読んでくださる方が正義に燃え、わたくしのジャーナリズムを賞賛しているに決まっておりますわおほほほほほほ!

記事を推敲するのは楽しいのですが、このところ椅子に座りっぱなしで校正をしているとお尻が痛くなって困ります。
そろそろドーナツ型のクッションを導入した方がいいのでしょうか。
もしかして乙女がかかってはいけない類の……、ぢ……、は! このしゃべりまで記事になっているじゃありませんの!

 

今すぐこの記事は差し止めてくださいませ! できない!? これだから醜聞に群がるジャーナリストはダメなのですわ! 
なし! こんな第一回はわたくしの品位が問われて――(以下1万文字は文字数オーバーにより自動削除)。